黒兵衛との信頼関係を築くために、
まずは彼が安心できる環境、
これが第一の目標です。
と意気込んだものの
始めてみると、かなり手強い相手。
声を掛ければ、威嚇して
猫というより、野犬の凄み。。。
ちょっとこわい。。。
いや、正直かなりおっかない。
背中を見せれば、襲ってきそうな
感じで…
そんな思いを見透かされたのでしょうか。
トイレを設置しただけで怪しまれ、
警戒してしばらく寄り付かず…
彼はエスパーかと…笑

暫くして、やって来た時、
花壇の隙で用を足してたので
猫砂と入れ替えてみたのですが…
これも全く見向きもせず…
それに何より、
全く御飯を口にしない。
猫好きシーバも見向きもしない。
体は痩せてて、絶対お腹すいてるはず。
でも「拙者は結構。」と武士のように
姿勢を崩さず、じっとしたまま。
黒兵衛が随分慣れて来た時、
ご近所さんから聞きました。
「ちびちゃんと一緒に来るんですけど
ただ、じっと座ってて、うちの御飯
全く食べないんですよ。」と…
うちの家では安心して食べるのに
よその家では全く口にしなかったようです。
それがまさにこの時でした。
色んな餌を置いてみても
結局、口にしません。
暫くたってやって、
エサ入れの御飯を食べるように…
しかも食べ方も用心深い。
いきなり、貪るドビとは違い、
臭いを嗅いで、考える。
一口食べて、また考える。
次は二口、三口食べて間を置く。
そのうち、俳句でも読むんではないかと…
もう待てないなと
あとで様子見に行ったら
まだ、半分も食べていない。
すると途端に急いた雰囲気を察知して
直ぐに帰ってしまう。
えっ⁉、はっ⁉
な状態を繰り返す超気難い猫。
こちらも負けていられない。
なんぞ、これしきでと、踏ん張り、
やっと、遠~~~~目からでも
食べてくれるように…
ただ、遠すぎて、器が見えない。
それから永いシャーシャー攻撃の
期間を経て、ある程度の距離でも
御飯を食べてくれるようになって
ここからがやっとスタートです。
そんな長い時間の経過で
ひとつだけ、感じたことがありました。
それは本当に今まで相当に
怖い思いしてきたんだなと。。。
一度の恐怖が、最初の警戒心を産み、
その表情からさらに忌み嫌われ、
それがどんどん雪だるまみたいに積み重なって…
一人で随分強くて重い鎧を背負ってきたんだなと…
だったら精いっぱい可愛いがっていこう。
家猫みたいに安心してここに通えるようにしよう。
そう決めました。
しかし、それはこちらの一方的な思い。
黒兵衛の頑な恐怖心はそう簡単なものでは
ありませんでした。
なかなか、うちに定着せず、何度も来なくなりました。
その度に一からの繰り返しで…
でも、なんとしてもと…
やっと目の前で御飯を食べて
くれるようになるまで
本当に時間が掛かりました。
でも苦労した甲斐がありました(*^_^*)
それからは急に嘘のように懐くようになって…
逆にこちらが戸惑うほどに…
出来れば、これがきっかけでしたと書きたいところですが、
正直、長すぎて覚えてません。
何が黒兵衛を安心させたのか、未だに謎です。笑
これでは何の参考にもなりませんね。